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着床前診断で必要なバイオプシーとは何?

不妊治療の一環として、胚(受精卵)を移植する前に染色体の情報を調べ胚(受精卵)に異常がないか調べる技術である着床前診断。着床前診断(PGT)を行うにあたっては、胚(受精卵)の細胞の一部を切り取るバイオプシーという作業が必要となります。このバイオプシーという作業はどのようなものなのでしょうか?

バイオプシーとは何?

バイオプシー(biopsy)とは、病気の診断や評価のために体の一部の組織を取り出して、顕微鏡で観察する医療手技です。日本語では生検(せいけん)と呼ばれています。着床前診断以外にも、がんやその他の異常な細胞の有無を確認するために用いられています。

着床前診断では、体外受精によってできた受精卵を胚盤胞と呼ばれる状態にまで育てたものから数個の細胞を採取します。この細胞を採取する工程をバイオプシーと呼んでいます。

受精卵から細胞をとっても将来の胎児への影響はないの?

体外受精によってできた受精卵を胚盤胞(はいばんほう)と呼ばれる状態にまで細胞分裂の進んだ受精卵の細胞を一部採取するのが一般的です。胚盤胞の中には、将来胎児になる部分(内細胞塊:ICM)と胎盤になる部分(栄養外胚葉:TE)に分かれていますが、着床前診断では、胎盤になる部分の細胞を数個採取しその細胞の染色体の情報を調べます。

バイオプシーを行う頃の胚盤胞は細胞数が百個前後にまで増えており、何個か取ってもその後の成長には問題ないだろうと考えられています。

とはいえ、胚盤胞から細胞をちぎり取る作業となるため、リスクがないとは言い切れません。胚にダメージが残らないように、なるべく素早く、正確に行う必要があります。そこはバイオプシーを行う培養士の腕にかかっています。

また、バイオプシー後の細胞は、綺麗に洗浄し、専用のチューブに入れて保存する必要があります。この工程もうまく行わないと正確な解析結果が出ないことに繋がります。

着床前診断を行う場合には、確かなバイオプシーの技術力を持った医療機関に依頼することが大事です。

着床前診断のメリットとは

 胚盤胞の細胞を採取することのリスクがあるため、着床前診断をするかどうか迷う方もいらっしゃるかと思います。正確なバイオプシーを行えていないと、ダメージが残ってしまったり、検査結果が得られなかったりするリスクはありますが、それでも着床前診断を行うことによるメリットがあります。

 着床前診断によって、染色体の異常がないかどうかを調べることで、流産率が大きく下がることが分かっています。一回の妊娠における流産の頻度は平均的には15%ですが、加齢とともに増加し、40歳以上になると約50%の割合で流産に繋がります。流産の70-80%は胎児の染色体異常によって起こります。また、流産全体の80%以上を占めると言われる早期流産(妊娠 12 週までの流産)の原因のほとんどが染色体異常です。

 着床前診断によって判定した染色体異常のある胚を避けて移植することで、流産の可能性を大幅に減らすことが出来ると分かっています。

日本では着床前診断を受けられる人は限られている

日本では、不妊治療の一環として日本産科婦人科学会の管理下において一部の患者に提供されている医療技術です。現段階では臨床としてごく一部の限られた患者にのみ提供されています。

体外受精による胚移植を2回以上行っても胎嚢(胎児が入っている袋)の確認の確認が出来なかった場合や胎嚢(胎児が入っている袋)が確認できてから2回以上流産してしまった場合、夫婦どちらかの染色体の構造に異常があり、胎児にも受け継がれてしまう可能性がある場合などに限られています。

海外での着床前診断も可能

 日本では着床前診断の対象にならないけれども、出来るだけ流産などのリスクを減らしたいという方には、海外で着床前診断を行うという方法もあります。

グリーンエイトでは、創業以来、一貫して海外での着床前診断の手配を行ってきました。男女産み分けを目的として着床前診断を活用される方も多くいらっしゃいます。少しでも気になった方は是非お気軽にお問い合わせください!

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