35歳を過ぎてからの妊娠は、現代では珍しくなくなりましたが、妊娠や出産におけるリスクが増加することも事実で、多くの女性にとって妊娠や出産に関するリスクが気になり始める時期です。
妊娠高血圧腎症、妊娠糖尿病といった妊娠に伴う合併症や、帝王切開分娩の可能性の上昇といった妊娠中や出産中の母体へのリスクも高まりますが、流産やダウン症児の妊娠などに繋がる受精卵の染色体異常などの可能性も高くなります。
グリーンエイトでは、35歳以上で妊娠を考える方々に向けて、リスクや対応策、さらに将来的な選択肢について広げられよう最大限のお手伝いをさせていただきます。
目次
加齢に伴って上昇する染色体異常のリスク
まず、年齢が上がるとともに最も懸念されるのが、受精卵(胚)の染色体異常のリスクです。
人間の子どもは父親と母親からの遺伝情報を半分ずつ引き継ぎます。通常、人間の染色体は2本で1対のペアが23組、合計46本で構成されています。
生殖細胞である卵子と精子はそれぞれ情報量がもとの細胞の半分になる分裂(減数分裂)を経るため1本ずつ1組、合計23本の染色体を持ちます。受精することで46本の染色体構造を持つようになりますが、年齢が上がるにしたがって、この減数分裂が上手くいかなくなる確率が高まります。
とくに、卵子は加齢による影響が大きく、染色体異常のリスクは、35歳あたりから急激に上昇します。35歳の女性の卵子の染色体異常の確率は約50%と言われています。
受精卵の染色体の本数や構造に異常がある場合には、基本的には着床すらせず、妊娠に繋がりません。妊娠した場合でも、ほとんどが妊娠12週未満に流産してしまいます。
生殖医療の分野は日々進化していますが、卵子の質の年齢の壁はどうしても超えることが難しいのが現状です。
また、染色体異常のある受精卵が妊娠・出産に繋がったとしても、ダウン症に代表されるような先天的な障害を引き起こします。ダウン症の発生率は20代前半では約1/1,500ですが、35歳では約1/350、40歳になると約1/100にまで上昇します。
着床前診断(PGT-A)の選択肢
こうしたリスクを軽減するために、着床前診断(Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy、PGT-A)という技術があり、染色体異常が心配な方には、着床前診断(PGT-A)を検討することをお勧めします。
PGT-Aとは、体外受精で得られた胚の染色体数の検査で、正常な胚を子宮に移植するために非常に有用な医療技術です。この検査を受けることで、染色体異常のリスクを大幅に低減させることができます。
着床前診断(PGT-A)の可能性と制約
しかし、日本国内でPGT-Aを受けることは、まだ制約が多いのが現状です。日本では倫理的な観点や法的な制限から、PGT-Aを提供している施設が少なく、検査を受けることのできる人はかなり少人数に限られています。
一方、アメリカなどの諸外国ではPGT-Aを行う施設が多く、手続きも比較的スムーズに行うことができます。
さらに、海外でのPGT-Aでは、染色体検査の際に胚の性別を知ることができる場合もあります。これは男女の産み分けを希望するカップルにとって、重要な情報となります。性別の希望を叶えることは、現状、日本では難しいこともありますが、海外では許容されている場合が多いです。
グリーンエイトでは、海外での着床前診断の検査手配を行っております。染色体異常が心配で着床前診断を行いたいけれども、日本では検査対象の方や、妊娠前に男女どちらかの性別の判定が気になるという方に向けてサービスを提供しています。
体外受精やその後の移植については、日本の医療機関で行えるため、日本にいながら、海外での着床前診断の結果を受け取ることが出来ます。
将来的に妊娠を考える方への卵子凍結の提案
現在、パートナーがいない方や、またはDINKs(意識的に子供を持たない夫婦)の方で、今は子供を持つ予定がなくても、将来的に子供が欲しくなる可能性がある方もいらっしゃると思います。そういった場合には、「卵子凍結」という選択肢もあります。
卵子凍結は、若い年齢のうちに卵子を採取し、凍結保存する方法です。これにより、将来の妊娠に備えて、卵子の質を保つことができます。卵子の質は、悲しい現実ですが、どうしても年齢とともに低下します。例えば、30歳で凍結した卵子は、40歳になってから使ったとしても、30歳時点の卵子の質を保っています。
また、卵子凍結は、キャリアを重視したい女性や、将来のパートナーとのライフプランを自由に選びたい方にとって、大きな安心材料となります。凍結した卵子は、パートナーと相談の上で使用する時期を選べるため、出産のタイミングを自分のペースで決められるというメリットもあり、仕事や生活環境に左右されず、将来にわたって選択肢を広げる手段にもなり、将来の不安を減らすことができます。
グリーンエイトでは、このようなお客様の不安解消を目指し、卵子凍結保管サービスの提供も行っております。
自分に合った選択を見つけるために
35歳以上での妊娠にはどうしてもリスクが伴う可能性が高くなりますが、現代の医療技術を活用することで、そのリスクを軽減し、安心して出産に臨むことが可能になりました。着床前診断や卵子凍結といった手段を検討し、自分に合った方法を見つけることが重要です。
パートナーとの将来を見据えて、今からできることを検討し、必要な準備を進めておくことは今後の人生においても大切になってきます。不安や疑問がある場合は、ぜひグリーンエイトへお問い合わせください。
適切なアドバイスを受けることで人生の大切な決断を、納得のいく形で進めることができます。信頼できる情報を基に判断することが大切です。
自分自身の健康や将来の家族計画について、納得のいく形で進められるよう、十分な準備を整えておくことをお勧めします。