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感染性物質の分類：カテゴリーAとB
感染性物質（infectious substances）は、輸送中に人や動物に病気を引き起こす可能性のある病原体を含む物質です。日本も加盟している国連（UN）はこれらを以下の2つのカテゴリーに分けています。
◾ カテゴリーA：
重大な疾患を引き起こす可能性のある物質が該当します。カテゴリーAに該当する場合、生死に関わる病気や大規模な感染リスクがあります。
UN番号： UN2814（人に感染） / UN2900（動物専用）
例： エボラウイルス、痘瘡ウイルスなど
表示名： Category A infectious substance
取扱いと梱包の基準：※IATA包装基準620(PI620) が適用
※IATA（国際航空運送協会）やWHOの規定
グリーンエイトでは、カテゴリーAに該当する感染性物質を扱う場合もありますので、カテゴリーAの扱いの研修、トレーニングを行っております。
◾カテゴリーB：
カテゴリーAに該当しない感染性物質はカテゴリーBと区分されます。感染性物質・カテゴリーB（Category B）」は、 生物由来物質、カテゴリーB は、国際連合（UN）および世界保健機関（WHO）**などの国際機関によって分類されている「感染性物質の輸送」に関する規定の一部です。
一般的な病原体（例：インフルエンザ、結核、サルモネラなど）などはカテゴリーBに該当します。また通常、医療診断や検査用のサンプル（血液、尿、便など）はカテゴリーBに分類されることが多いです。
UN番号： UN3373 (生物由来物質、カテゴリーB)
例： インフルエンザ、結核、サルモネラなど
表示名： Biological Substance, Category B
取扱いと梱包の基準：※IATA包装基準650( PI650、三重梱包) が適用
※IATA（国際航空運送協会）やWHOの規定
梱包方法について：
3層構造が必要：
一次容器（試験管・バイアル等）： 密閉できること、漏れないこと
二次容器（防水の密閉容器）： 一次容器が破損したときでも漏れを防ぐ
外装容器（頑丈な外箱）： 中身が識別でき、UN3373マークを表示
取扱いの注意点：
- 適切な訓練を受けた者が梱包・発送する必要があります。
- 空輸、陸送、海上輸送それぞれの規制を確認すること
- 万が一の漏れや事故時に備えて緊急対応手順が必要
- 内容物の誤分類（本当はカテゴリーAなのにBとして輸送など）は法令違反になります
- UN認定の梱包資材を使用
- 緩衝材（破損防止材）を使用
- 破損や漏出時の緊急連絡先を記載
WHOのガイドライン
WHOは「Guidance on Regulations for the Transport of Infectious Substances」などの文書で詳細を示しています。以下の要素が重視されています：
- 患者検体の安全な輸送
- 輸送中の感染リスク低減
- 国際輸送での一貫した基準適用
まとめ：カテゴリーBとカテゴリーAの違い
| カテゴリーA | カテゴリーB | |
| UN番号 | UN2814 UN2900 | UN3373 |
| 包装基準 | IATA包装基準620(PI620) | IATA包装基準650(PI650) |
| 一次容器 | 防漏型の密閉されたも（チューブなど） 漏れ対策に吸収剤も必要 | |
| 二次容器 | 内圧差95kPaに耐えるもの(認定済みバイオパウチ) | 内圧差95kPaに耐えるもの(認定済みバイオパウチ) |
| 三次容器（外装容器） | カテゴリーA用の国連規格マークの記載要（認定済み容器が必須） | 頑丈な外装容器（組み合わせ容器） |
参考サイト：
🔗 WHOガイドライン（参考用英語資料）
WHO Infectious Substances Transport Guidance
URL: https://www.who.int/publications/i/item/9789240019720
🔗国立健康危機管理研究機構、感染症情報提供サイト（JIHS）病原体検出マニュアル
URL: https://id-info.jihs.go.jp/relevant/manual/010/manual.html
これらの物質が損なわれず、目的地に安全かつ適時に届くようにするため、荷送人（送り主）は、梱包や輸送方法が法律に従っていることを確認する責任があります。
輸送を担当する航空会社、運送業者などは、容器の破損や漏れ、不適切な梱包によって感染性微生物にさらされるリスクを心配しています。そのため、感染性物質を入れる容器は、輸送中の破損リスクを最小限に抑える設計であることが求められます。加えて、検体を安全な状態で保ち、迅速かつ適切な処理ができるような構造である必要があります。
