第5類 危険物について、皆様ご存じでしょうか?消防法上で危険物第5類に分類される自己反応性物質は、危険性が高く繊細な取り扱いが必要と言われています。この記事では、危険部第5類の概要と物質例を解説します!
第5類 危険物の特性
消防法で第5類に分類される危険物は、一般的には自己反応性物質と呼ばれます。平たく言うと、その物質自身が可燃性であり、かつ、酸素も自身から供給できるという物質です。植物でもないのに自分自身から燃焼に不可欠な酸素も出すことができるので、危険度レベルとしてはベンゼンやトルエン、メタノール、アセトン、ガソリンなどの第4類の物質より高いと言えます。物質の状態は液体もしくは固体になります。
第5類 危険物の物質例
第5類危険物の中でも、危険度が高いものは第一種自己反応性物質に分類され、危険度が低いものは、第二種自己反応性物質に分類されます。第一種は指定数量10kg、第二種は指定数量100kgです。消防法上では、下記の品名が第五類として分類されています。
類別 | 性質 | 品名 |
第五類 | 自己反応性物質 | 一 有機過酸化物 二 硝酸エステル類 三 ニトロ化合物 四 ニトロソ化合物 五 アゾ化合物 六 ジアゾ化合物 七 ヒドラジンの誘導体 八 ヒドロキシルアミン 九 ヒドロキシルアミン塩類 十 その他のもので政令で定めるもの 十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
物質例1:硝酸メチル
第5類に分類される危険物のなかでも、たとえば硝酸メチルのように、可燃物であるのみならず引火性もあり、15℃という常温に近い温度でさえ引火してしまうような性質を持ち合わせている物質もあります。ちなみに、この硝酸メチルなどは、沸点も66℃で、真夏の倉庫ですと50℃近くになることもあるので気を付けなればなりません。
物質例2:アリルグリシジルエーテル
樹脂の架橋剤としてや、反応性中間体として使われるようになっているアリルグリシジルエーテル。こちらも引火性の液体で、45℃以上になると、空気と混合し爆発性気体となるので温度管理に注意が必要です。
物質例3:ニトログリセリン
医療手術の現場ではおなじみの血圧調整、急性心不全や狭心症への投与薬剤であるニトログリセリンなどもこの第5類に分類される危険物です。このニトログリセリンは、融点が8℃なのですが、一般人の私たちが抱くイメージと逆で、冷やし過ぎて8℃以下になり凍結してしまうと爆発の可能性が出てくるので逆に爆発危険性が増し、まとまった量だった場合など、凍結状態になってしまうことはとても危険なので、温度管理を敏感にしなければいけません。
第5類の消化方法
なお、この第5類の危険物は、先に書いたとおり、その物質自身に酸素原子を含んでおり、自身から酸素供給がなされるので、窒息消化が効きません。そのため、万が一の火災の際には、冷却消化となります。冷却効果が高い泡消火設備、あるいは、一般的ですが、水によって消化を試みます。
いかがでしたか?消防法第5類記載の危険物は、上記のように取り扱いに注意が必要です。
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